第1章━〔3〕
敵兵士をある程度蹴散らすとクラウスはフェイトに駆け寄った。
「おい、大丈夫かフェイト!!」
「あぁ、大丈夫だ」
いつもの何か抜けている様なフェイトの声が聞こえてクラウスは安心した。
「俺はレクスの将軍を狙いにいく!!」
戦乱を走らせるとクラウスは爆弾をあるだけ投げ道を開けた。
「アイツか!!」
ムチを叩き戦乱の出せる限りの速度を出すとレクス軍の将軍に近づいた。
「これでもくらえ!!」
クラウスの放った矢はわずかに狙いが反れ外した。
「まだだ!!」
剣を出すと振り回したまま、レクス軍の将軍に近づいた。
レクス軍の将軍もそれを待ち受けて剣を構えた。
――この、一撃で決まる!!
クラウスとレクス軍の将軍は剣を振ろうとした。
だが、二人の動きは止まってしまった。
ついには、クラウスは剣を地面に落としてしまった。
周りで戦っている兵士の動きもそれに合わせて止まる。
「今日は…引こう…」
ボソッとそう言うとクラウスは城門へ向かって戦乱を走らせた。
「私たちも、今日は引くわ…」
「何を言っているんですか!!アリエ様!!」
レクス軍の一人の兵士がレクス軍の将軍『アリエ』に言った。
「うるさいわよ!!今日は引くわ!!」
強く言うとアリエも馬をレクス軍の城に向かって走らせた。
―――この瞬間が悲劇の始まりだった
◆前の話に戻る
◆次の話に進むデスティニーに戻る