第2章━〔5〕
「なぁ、何で今まで話さなかったんだよ?」
「え・・・?」
「俺達はこうゆう関係なんだ。でも、何で話さなかったんだよ!!」
ワタルは素直にリサに自分が今思ってることを伝えたい。
だが、伝えようとすればするほど本当の自分が出せなくなってしまって怒鳴ってしまう。
「だって・・・」
「だってじゃないだろ・・・今まで俺が信じられなかったのか!!!」
「違う・・・」
「違うってそうゆうことだろ!!」
自分でも、もうこんなのは止めたい。でも止められない。どうしても、素直になれない。
「違うもん・・・ワタル・・・おかしいよ・・・」
リサは涙を流しながら言った。
「じゃあ、何だよ!!」
「いうのが辛かったの・・・怖かったの・・・」
「すぐに言えば俺が少しでも楽にしてやろうとしたんだ!!」
「もう、やだ!!!おかしい!!ワタルなんて嫌いだよ!!」
「五月蝿い!!」
「もういい!!テレポート・・・」
リサは呪文と唱え消えてしまった。ワタルもその後を追いかける様にテレポートを唱えた。
ワタルはリサの部屋にテレポートした。だが、その時にはリサの姿はすでになかった。
(どこだ・・・リサ・・・)
ワタルはリサの家から飛び出した。そして、学校、公園などの場所を探し回った。
だが、リサの姿はどこにも見当たらなかった。
(どこだ・・・どこだ・・・どこだ・・・)
ワタルの息は素手に切れていた。だが、苦しくて胸が張り裂けそうになってもワタルは走り続けた。
(どこなんだ・・・一体どこに・・・)
ワタルは走るのを止めて考え込んだ。ワタルはしばらく考えた。
だが、居場所がまったく見当がつかなかった。ワタルは考えるのを止めて走った。とにかく走った。
だが、見当たらない。ワタルは時計を見た。時計の時刻は11時をまわっていた。
(今日は、もう遅いか・・・明日話そう・・・)
ワタルは自分の家に戻った。
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