第3章━〔2〕
だが、闇の住人をやられてばかりではなかった。
闇の住人は手の平に黒い塊を作り出した。
力を込めるとその塊の密度、大きさが増していく。だが、ワタルとリサは勇敢だった。その塊にまったく恐れることもなく闇の住人に接近した。
「はぁあああ!!」リサは叫び声で力を出して杖で闇の住人を殴りつけた。
そして、殴りつけられ怯んでる闇の住人をワタルが杖で追い討ちを入れた。
「シグナル!」
杖から放射された電撃が闇の住人を貫いた。
だが、塊を作っていた闇の住人がワタルとリサが油断しているところを狙った。
闇の住人は大きな塊をワタルとリサに投げつけた。
その塊は闇の住人の手から離れると元の大きさの数百倍もの大きさになった。
ワタルとリサが振り向いた時にはもうその塊は二人の目の前にあった。
すると、ワタルはその塊に向かって飛び込んだ。
「ワタル!!」
「お前は俺が守る!!」
ワタルはリサに攻撃があたらない様にわざと飛び込んだのだった。
ワタルは塊に接触するとその塊の中に吸収された。
「くっ!!」
ワタルはその塊に吸収されると動かなくなってしまった。
「ワタル!!」
リサは叫ぶと塊を投げた闇の住人を睨み付けた。
「ギガ・ホーリー!!!」
そしてリサは呪文を唱えた。
光の塊が闇の住人を襲った。闇の住人はその光の放つ強い光に飲み込まれた。
リサは闇の住人が死んだことを確認するとワタルが飲み込まれていた塊に杖を突き刺した。
すると、表面を覆っていたガラスが割れ中から黒い液体が流れ出た。
そして、ワタルもその黒い液体と共に流れ出した。
「ワタル!!」
リサはワタルを揺すった。
すると、ワタルが気がついた。
「リサ・・・守りきれたのか?」
「うん、私は無傷よ・・・ワタルのおかげ。」
「じゃあ、あとの闇の住人も・・・かたずけるか・・・」
ワタルはよろけながらも立ち上がった。そして、杖を構えた。
だが、杖を握っている手に力がなかった。
「ワタル・・・大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ。」
ワタルは大きな笑みを浮かべた。リサはその顔を見て安心した。
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