第3章━〔5〕


リサに向かって闇の銃弾が飛んでいく。
その銃弾は黒い煙を発していた。
リサはすぐに振り向いたがその時には銃弾は目の前にあった。
驚いて、とたんに杖を落とし目を瞑り手で顔を抑えた。
(ごめん・・・ワタル・・・守れなかった)
瞬間、リサは自分の目の前に何か現れたのを風で感じた。
そして、金属と金属がぶつかった音がした。
リサは目を開くと目の前にはアキがいた。リサは目を丸くした。 アキは杖を持っていて紛れもない魔法使いだった。
「アキ・・・」
「ワタル君のお願いだもん、もう貴方に危害は加えない。」
「それよりも・・・あんた、魔法使いだったの。」
「そうよ、私は最初に選ばれた魔法使い。」
リサは今、何が起こっているのか頭の中でキチンッと整理ができなかった。
ワタルがの呪いに犯されている。
アキが魔法使いだった。
リサの頭の中でいろいろな出来事がまわる。
「さぁ、リサ戦うわよ。そしてワタル君を助けるの。」
リサはまだ頭の中ですべての出来事が整理できてなかった。
ワタルの心の中が深く頭の中に残っていたからだ。
リサを守ると誓った。でも、それはただの強がりだったのかもしれない。
でも、ちゃんと守ってもらった。強がりなんかじゃなかった。
「うん。」
リサは深く頷いた。すると、アキは光を越すほどの速さで走り出した。
彼女の走った後はまるで一本の閃光の様になっていた。
その閃光は希望に満ち溢れていて美しく光っていた。
アキはベテルギウスに接近すると呪文をすかさず唱えた。
「パワー!!」
すると、アキが赤いオーラに包み込まれた。
アキは呪文を唱えると杖を振りかざした。
ベテルギウスはその杖を避けた。だが、ギリギリだった。
「反応が追いつかねぇ。」
ベテルギウスは少し焦ったのか呪文を連射した。
「早くおわらした方がいいな、ダーク!」
ベテルギウスは接近していたアキに向かってダークを撃ちはなした。



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