第3章━〔6〕
だが、アキは少しも躊躇わずにさらにベテルギウスに接近した。
そして、彼女目掛けて飛んできたダークを杖で切り裂いた。
「なっ!!」
ベテルギウスは瞬時に瞬間移動をした。
(あの女、できるな。)
ベテルギウスは眉にしわを集めた。リサはそんな姿をただボーと見ているだけだった。
「アキ、いける!!あなたなら勝てるわ!!」
「あなたも戦いなさいよ。」
「わかった、援護するわ!」
リサはそう言うと髪を靡かせベテルギウスに向かって飛び立った。
アキもリサに続いてベテルギウスに向かって杖を叩き付けた。
「甘い!!」
ベテルギウスはすかさず避ける。だが、後ろからリサの一撃が飛んできた。
リサはベテルギウスの背中に杖を突き刺した。
「ぐぁあああ!」
ベテルギウスの傷口から黒い液体が飛び出した。
「これは!!」
リサは叫んだ。
「そうだ・・・これを触った者が呪いに掛かるのさ。」
ベテルギウスは背中に刺さった杖を抜くとリサの方を向いて口から黒い液体を噴射した。
「バリアー!!」
リサはとっさにバリアーを唱えた。だが、黒い液体がバリアーを溶かしていった。
「メガ・バリアー!!」
リサはさらに厚いバリアーを張った。だが、そのバリアーも簡単に溶かしていった。
そして、バリアーを抜けリサに黒い液体が襲い掛かってきた。
そのとき、アキがリサの前方にいきなり現れた。
アキは手を大の字に広げ黒い液体をかぶった。
「アキ・・・」
「ワタル君みたいになるのね・・・でも、嬉しい、ワタル君と同じだから」
アキの顔はワタルと同じ様に闇に侵食されていた。
「ちゃんと、私とワタル君のこと助けてよね。」
アキはそういうとベテルギウスの方を向き飛び立った。
そして、目にも止まらない速さでベテルギウスに近づき杖を突き刺した。
そして、静かにその場に倒れた。
「アキ!!」
ベテルギウスは激しく苦しみもがいた。
「これで終わりよ!!これが絆の強さ・・・」
リサはベテルギウスに杖を向けた。だが、ベテルギウスはここまで追い詰められても笑っていた。
「クククッこのままで俺が死ねるわけないだろうが。」
「どうゆう意味!!」
リサはベテルギウスに杖を突き刺した。
「グガァアアッ、決戦は明日この場所でだ・・・」
ベテルギウスはそう言うと霧になって消えてしまった。
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