第4章━〔3〕


「お前も呪いにかけてやる・・・死ね・・・」
「キャアァアアア」
リサはとたんに目が覚めた。体中汗がビチョビチョで、鼓動も激しかった。
「こんな夢で起きるなんて。」
息を大きく吐いた。
「大丈夫、勝てるわ。」
リサは自分に言い聞かせた。
横にいるワタルとアキの方を見た。ワタルとアキは昨日よりも闇の侵食が激しかった。
闇は手足まで侵食されていた。でも、リサは落ち着いた様子でその姿を見ていた。
「今日勝ったら元通りになるんだもん、大丈夫よ。」
彼女はポジティブな考え方をして気持ちを落ち着かしていた。
そして、手早く朝食を済ますと学校へ向かった。
学校ではいつもと変わらない素振りをしていた。
いつもと同じ様な笑顔を作りいつもと同じ様に人と話す。
だが、放課後に近づくに連れて緊張感が高まってきた。
体育の時間、先生はメチャクチャになった体育館を見て口をあけたまま固まった。
そその体育館にはところどころに血が垂れていてとても授業をする場所とは考えられなった。
リサは体育館を見ると昨日の記憶、すべてが頭の中に舞い戻り胸が痛くなった。
先生は生徒に指示をだしてほかの場所で授業をすることになった。
だが、先生が生徒をほかの場所に誘導しようとした時だった。
体育館の真ん中に大きな黒い穴が空いた。その穴はやがて体育館の床を覆い尽くすほどの大きさになった。 「うそでしょ・・・」
リサは絶望に追い込まれた。
「みんながいるのに、卑怯よ!!」
リサは壁を叩いた。瞬間、おかまい無しに黒いビームが飛んできた。
そのビームは生徒にはあたらなかったが生徒を確実に狙ったものだった。
リサは生徒が全員体育館から逃げたのを確認すると、杖を召還した。
そして、黒い穴に向かって呪文を一発うった。
「アイシクル!」
すると、天井から氷柱ができ、その氷柱は黒い穴に向かって落ちていった。
そして、小さな氷柱が落ちた後小さな氷柱の五百倍ぐらいの大きさの氷柱が黒い穴に落ちていった。
だが、その氷柱は黒い穴に入った瞬間に砕かれた。
「意味がないか。」
リサは落ち着いた様子で次の行動に移ろうした。
そのとき、リサの両足を黒い手につかまれた。



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