第1章━〔6〕


「そう、選択・・・。」
「選択って何だ?」
「こんなことをいきなり言ってもパニック状態になるかも知れないけど、魔法使いの存在を知ったものは死ぬか自分も魔法使いになって協力するか・・・
どちらかの運命しかないの。」
「死ぬって・・・。」
「落ち着いて聞いて。貴方はまだ中学生。やってないこともいっぱいある。だから、”私と一緒”に戦ってもらいたいの。」
「そんなこといきなり言われたって・・・。大体、死ぬって嘘だろ?」
「本当のこと・・・」
「どっちもやだ!!」
「どっちかしか選択は・・・」瞬間、後ろの方から屋上のドアが開く音がした。ドアを空けた者はカズキだった。
「カ・・・カズキ・・・」
ワタルはその場に倒れこんだ。カズキは全身血まみれだった。
「ワタル!!闇の住人が襲ってきたのよ!!!」
「そんなことを言われたって!!!カズキが!!!」
「カズキ君を助ける為には奴を殺すしかないの!!!」
リサはそう言うと走って自分の教室に向かった。だが、ワタルはその場で倒れこんでいた。
「あんな化け物を倒すって・・・カズキがあんなになったのにかよ!!!」
ワタルはカズキの元に駆け寄った。だが、カズキは倒れこんだままで動かなかった。
「何でカズキが・・・なんでカズキ・・・ちょっと待て・・・カズキが襲われているってことはほかのみんなも!!!」
ワタルはさらに絶望に追い込まれた。
「僕がいかなくちゃ駄目なのか・・・?みんな死んじゃうのか?」
「そ・・・うだ・・・ワ・・・タルが・・・皆を・・・助け・・・るん・・・だよ。」
「カズキ!!!」
「皆を・・・救って・・・くれ」
(そうか・・・僕が救わないで誰が救う。リサだって昨日の戦いでボロボロになって体力は残ってないはずだ。)
「わかった!!!」
ワタルは自分の教室に向かった。
廊下には、血まみれの人達が何人も倒れている。
(怖い・・・怖いけど戦うんだ!!!)
ワタルは教室のドアを勢いよく空けた。
「リサ!!!」
リサは教室で闇の住人と戦っていた。だが、リサは傷だらけになっていた。
「ワタル・・・」
「リサ、俺戦う!!魔法使いになって皆を救う!!!」
「決まったのね・・・ワタル。じゃあいくわよ。」
「ああ。」
「サバタ・マテリア!!!」
リサの呪文と共にワタルの周りに魔方陣が表れた。リサが呪文を唱えるにつれて魔方陣の光の量が増す。
その魔方陣はやがてワタルの周りを完全に包み込んだ。
「ミルド・ネクスト!!!
リサが呪文を唱え終わると魔方陣は弾けとんだ。
ワタルはいつのまにか変な形をした棒を持っていた。
「この棒は??」
「杖よそれに魔力を注いで呪文をうつの。」
「でも、呪文は?」
「それを見て。」
リサはそう言うと本をワタルに投げた。「この本は?」
「魔法の書!!そこの中から適当に選んでアイツを殺して。」
「どの呪文を打てばいいんだよ!!」
「どれでもいいわ!!」
「考えてる時間はない、これでいくか。」
ワタルは手を上にあげ杖を闇の住人に向けた。
「メガ・ファイア!!」



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