第1章━〔8〕
リサに家につくとワタルはなぜかインターホンを鳴らした。
「家に住んでる人が目の前にいるのに何で鳴らすの?」
「一応だよ。」
「まぁ、いいや。私の部屋で話すから私の後をついてきてね。」
リサがドアを空けるとそこには新鮮な風景が広がっていた。
(あの時はリサ以外のことを何も考えなかったから抵抗はなかったけど今回は抵抗があるな・・・)
リサは二階に通じる階段を上り始めた。ワタルもその後を照れながら上る。
階段を上り終わるとリサは部屋のドアをあけた。
「じゃあ、中に入って適当な所に座って。」
「あぁ。」
ワタルはグルッっと部屋を見渡した。
「そんなに女の子の部屋が珍しいの?昨日、私をここに運んできてくれたばかりじゃん。」
「昨日はリサ以外のことは考えてなかったから・・・」
ワタルは耳を赤くしながら言った。
「ありがとうね。」
「別に・・・で、防御型とかって何なんだ?」
ワタルは上手く話を切り替えた。
「魔法使いには四つのタイプがあるの。一つ目は攻撃型、二つ目は防御型、三つ目は格闘型、四つ目はオールマイティ型。
攻撃型は主に攻撃魔法を得意とするの。そして、防御型は自分を守る魔法を得意とする。格闘型は自分の身体能力を上げる魔法を
得意とする。そしてオールマイティは全体的にバランスよく使えるの。」
「俺はどのタイプなんだ?」
「まだ、わからないけどメガ級の魔法がいきなり撃てたから攻撃型だと思う。」
「そうなのか。」
「今から呪文を打つ練習をしたら?話してるだけじゃ学校の授業と同じじゃない。」
「そうだな。」
「じゃあ、行くよ。」
「えっ、どこに行くんだ?」
「テレポート!」
リサが呪文を唱えると二人は魔方陣に包まれ、少し経つと魔方陣と共に消えてしまった。
「うわっ!!!」
ワタルは地面に叩きつけられた。
「ここはどこだ?」
目の前には一面緑で覆い尽くされた花畑が広がっていた。
「ここは、人が住んでいない安全な場所。私が呪文でワープしたの。」
「そうなのか。」
「じゃあ、いくよ。」
「でも、杖はどうするんだ?」
「杖の出し方は、自分が戦うっていう気持ちになると出てくるの。」
「ほー、便利だな。よし、やってみよう。」
ワタルは目を閉じると手をあげた。手をあげると手の上に杖が召還された。
「よし、出来た。」
「じゃあ、私に学校で渡した本を見て呪文を打ってみて。」
「でも、そんなことをしたら。」
「私の魔法使いの姿を見てから性格変わったね。心使いありがとう。でも、私をあまり馬鹿にしないでよね。」
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